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コロナ禍で変化するお酒事情

2022年5月19日

仕事を終え、帰宅後の晩酌で一杯。あるいは、行きつけの居酒屋で一杯。こんな日常のお酒の消費がコロナ禍で一変した。新型コロナウイルスの感染が広がって早2年。その間に緊急事態宣言の発出もあり、飲食業におけるお酒の提供が制限されたり、営業時間も短縮されるなど、経営に著しく影響が出た。昨年末、新型コロナウイルスの新規感染者数も減少し、お客様も少しずつではあるが戻ってきているという声も聞くようになったのもつかの間、年明けからオミクロン株が猛威を振るい、現在は小康状態となっている。

では、実際に浜松市のお酒の消費はどんな推移をしたのか。総務省の家計調査によると、スーパーやコンビニ、酒販店などで家庭用に購入した酒類の一世帯当たりの年間購入金額(家飲み)は、2018年の27,701円と比べ2021年29,689円とわずかに増加だった。巣ごもり需要で、家飲みが大幅に増えたのではと思われたが、浜松市ではほぼ横ばいであった。

一方で、外食における年間飲酒代(外飲み)は、2018年の15,226円に比べ2021年3,289円と、コロナ禍で外飲みが大幅に減少したことがわかった。元々、浜松市は、車通勤が多いことなどから全国平均(50,006円)に比べてもお酒の消費が少ない都市であるが、さらに外飲みが減少した格好となった。

 

現在、経済活動が徐々に再開してきているが、新型コロナウイルスの感染再拡大が懸念される中で、いったん減ったお酒の消費(外飲み)はなかなか戻らない。会社でも歓送迎会や忘新年会も減ったという話を聞く。お酒はいい意味でコミュニケーションツールとしての一面を持っている。コロナ禍で分断された人間関係を修復するべく、お酒の持つ特性を活かし、新型コロナウイルスの状況を見ながら会社でのお酒を楽しむ機会を増やすことが、ひいては浜松経済の活性化に繋がるのではないだろうか。

図表 浜松市の1世帯当たり年間の家飲みと外飲み
出所:総務省家計調査(2人以上の世帯)をもとにしんきん経済研究所加工作成

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