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バイク人口の増加

2022年6月16日

1980年代、日本は空前のバイクブームだった。若者はバイクに乗ることに憧れ、バイクメーカーは数多くの人気車種を発売した。その最盛期には国内販売台数は300万台を超えていたが、軽自動車の普及、若者の二輪車離れなどにより、現在の市場規模は最盛期の約1/10に落ち込んでいる。

長らく減少傾向が続いていた国内二輪車市場だが、ここ数年は下げ止まり、回復の兆しさえみられるようになった。日本自動車工業会の国内二輪車出荷台数によると、2021年度は390,764台となり7年前の水準に回復した。2013年度の40万台超えとはならなかったものの、全排気量で前年比17%増、小型二輪(251cc以上)については実に78%増となった。コロナ禍において密を避ける交通手段として注目されたほか、アウトドアブームにのってキャンプツーリングで余暇を楽しむ人が増えている。「趣味性」がより強くなり、「人生を楽しむ」ことへの投資として、リターンライダーやバイク女子が増加した。また、バイクに乗っているだけで仲間意識が芽生え、情報交換が盛んなことも魅力の一つだ。

浜松市は「SUZUKI」「YAMAHA」「HONDA」の創業の地であり、「バイクのふるさと」として国内外に知られている。温暖な気候に加え、海も山もあることからツーリングに適した地域として多くのライダーが訪れている。また、風を切って気持ちよく走ることのできる道やバイクショップ、ライダーズカフェ、道の駅など立ち寄れる施設も充実しており、バイク神社があることも特色の一つだ。バイク人口の増加に伴い、観光資源の活用でビジネスチャンスが生まれる。地元だけでなく全国からライダーが集まる観光となるような働きかけも必要だ。

図表 政令指定都市の面積と用途
出所:日本自動車工業会、全国軽自動車協会連合会の資料をもとにしんきん経済研究所が加工作成

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