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浜松市の動脈 道路を守ろう

2022年8月4日

私たちが普段、実感しているように、静岡県の陸上輸送は自動車が中心だ。当たり前だが、全ての自動車は自家用でも商用でも、あるいは旅客用でも貨物用でも道路を走っている。しかし、浜松市内にはどのくらいの長さの道路が敷設されているのか、知っている人は少ないだろう。

その長さは合計で、8,500Kmを超える。想像しがたい数字であるが浜松市内の全部の道路を直線に伸ばすと、いまだに戦乱の止まないウクライナ・ロシア国境をはるかに超えてポーランドの首都ワルシャワにまで達する計算になる。別表の通り浜松市は道路の実延長(実際に道路として供用されている距離)が政令指定都市の中で一番、長い。また、市道の実延長も7,500Km以上あり、道路行政は市政の中でも特に重要な位置にあると言ってもいいだろう。ましてや、国土交通省の『道路メンテナンス年報2021年8月』によると、点検の結果、健全と判定された割合は、橋では36%、トンネルでは2%、道路付属物等では23%に過ぎず、道路を使い続けるためには休むことない整備が必要なのだ(都道府県・政令都市等平均)。

これらの道路は日本で二番目に広い都市である浜松市の、市民生活と産業へ財とサービスを隅々にまで運ぶ役割を果たしている。現下の経済が戦乱や疫病による国際的なロジスティクスの混乱を原因の一つとして回復への足取りが遅いことを考えると、身近な道路によるロジスティクスは、人体で言えば動脈のような機能を果たす重要なインフラなのである。

道路の長さは想像もできないが、その長い道路を維持管理することの大変さは容易に想像がつく。私たちは道路の利用者の立場として、できることは何であろうか?それは交通ルールを守り交通事故を起こさないことであり、道路工事に際してはできるだけの協力をすることである。道路は水やエネルギーと同じように大切にしなければならないライフラインであるのだ。

浜松の市道をまっすぐ伸ばすとワルシャワにまで届く!
浜松の市道をまっすぐ伸ばすとワルシャワにまで届く!

図表 政令指定都市の道路の実延長
出展:国土交通省 道路統計年報2020(平成31年3月31日時点)を基にしんきん経済研究所が作成

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