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婚姻件数の減少

2022年8月18日

浜松市の婚姻件数が減少している。2020年は3,193件となり、「令和婚」で増加した2019年と比較して467件減少となった。コロナ禍において行動制限などにより出会いの場が喪失したことや、職の不安定化も減少要因となっている。10年前の2010年と比較すると4,532件から1,339件減少し、約3割減となっている。

「結婚」についての考え方は多様化しており、減少傾向にあるが結婚を望む人も多くいる。結婚希望のある人達を支援することは、地域の活性化に繋がるため、各市町では以下のような結婚支援に取り組んでいる。浜松市では、マッチングシステムを通じてスマートフォンやパソコンからお相手を探したり、婚活イベントを開催して会員同士の交流の機会を提供している。また、結婚後の生活を具体的に思い描く事ができるよう、今後の生活設計の相談にも対応している。他の自治体でも、結婚したカップルへギフトカタログを贈呈したり、花火イベントに招待するといった取り組みが行われている。

結婚だけでなく、出産、子育てを一体化した切れ目のない支援で住みよい街づくりを目指すことは少子化問題にも寄与する。女性の家事・育児にかかる負担は未だに大きいため、出産や子育ての不安を解消する政策を整えていけば、女性の結婚観も変化していくだろう。また女性が社会で活躍できる柔軟な働き方を浸透させ、男女ともに家庭と仕事を両立しやすい環境に整えることも重要だ。そのうえで若い世代に抵抗の少ないマッチングアプリやSNSを活用した良質な出会いの機会を創出していけば、婚姻件数の増加に繋がっていくのではないだろうか。

図表 浜松市の婚姻件数
出展:厚生労働省「人口動態調査」資料をもとにしんきん経済研究所が加工作成

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