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浜松市のペット関連支出

2023年4月20日

浜松市は、1,000世帯当たりの犬の登録件数が、政令指定都市の中で一番多いなど、ペットとのかかわりが強い都市である。ペットが多いということは、その関連消費も多いと思われる。そこで、ペット用品・動物病院代・ペットフード・ペット関連サービスを「ペット関連支出」として捉え、調べてみた。
総務省の家計調査によると、浜松市の5年平均(2018年〜2022年)1世帯当たり年間ペット関連支出額は、27,188円であった。全国と比較すると、全国23,960円に対して浜松市は13%多かった。さらに内訳を見てみると、特に、ペット用品への支出額が全国に比べて浜松市は32%と多いことがわかった。浜松市では、ペットが多い中で、ペット用品を中心に、ペットフードや病院代などに全国よりもお金をかけていることがうかがえる。
また、犬などのペットの寿命は医療技術の進歩により飛躍的に伸びており、現状15年程度と言われているが、亡くなったペットの葬儀にお金をかける人も増えている。昔は、専門の葬儀会社による火葬サービスも少なく、庭に埋めるなどお金のかからない方法が多かった。まだ浜松には専門の葬儀会社は少ないが、ネットやチラシでペット葬儀をPRする業者も出てきた。葬儀費用はペットの体重にもよるが、1〜4万円台の範囲である。
このように、ペットにお金をかける傾向の背景には、コロナ禍でペットと過ごす時間が長くなり、ペットの家族化が進んだこともある。コロナ禍によって、我々の生活様式も激変した。例えば人の葬儀においても、近親者中心で見送る「家族葬」が急激に増えている。コロナ禍では、テレワークの進展もあり、家族などの「身近な絆」を大切にする価値観が見直され、今後も絆はさらに強まるのではないかと思われる。ペットとの生活や葬儀にお金をかける傾向は今後も続くと思われ、ペットと一緒に宿泊や食事をする店など新たなビジネスチャンスに繋がるのではないだろうか。

 

図表 1世帯当たり年間ペット関連支出額比較(5年平均)
(出典:総務省家計調査(2人以上の世帯)をもとにしんきん経済研究所加工作成)

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