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ChatGPTの可能性

2023年5月18日

当研究所では、調査活動の一環で、様々な経営課題などを中小企業経営者にアンケートを実施しており、本年1月の調査では今後のデジタル化に向けた投資姿勢を尋ねた結果、8割を超える企業がデジタル化投資を拡充もしくは現状程度は行うとしている。投資を継続する企業が大半を占めるということは、進歩が速く既に世界で共通のインフラとなっているデジタル化・IT化への投資は中小企業にとっても避けては通れない課題になっていることの表れである。
ところで、昨年11月に公開された『ChatGPT』という人工知能(AI)チャットボットをご存じだろうか?これは生成型AIと呼ばれるもので、予備知識や特別なIT環境がなくても無料で利用できることから、アクセスするユーザーが急増している。論文の作成や文章の要約などテキストの作成が得意とされ、仕事の効率化や労働時間の短縮に役立つ可能性があるとされている。
そこで、今回の調査結果をAIに読ませて、「経営者がデジタル投資を継続しなければならないと考えている点からはどのような事情がうかがえますか?」を150字以内で回答させてみた。以下はAIの回答である。

「中小企業の経営者がデジタル化に対して消極的である一方、デジタル投資を継続する必要性を感じている理由がいくつか考えられる。競合他社がデジタル化に取り組んでいるため、自社も対応する必要があると感じていることや、消費者や顧客のニーズが変化しており、デジタル化によるサービスや製品が求められるようになっていることが挙げられる。また、デジタル化によって業務プロセスの効率化や生産性の向上が期待できることから、投資を行うことで経営改善やコスト削減、新たなビジネスチャンスの創出などのメリットを享受することができると考えている可能性がある。」

AIは前半部分で様々な事情の存在の可能性を示しているが、後半部分は継続的な投資が必要な事情の回答になっているものの、内容的にはデジタル化投資に限ったことではないだろう。調査結果だけをもとにして、具体的で創造的な答えをAIから引き出すことはまだ難しいのかもしれない。
G7デジタル相会合では今後のAI開発に「『人権の尊重』などの価値観に基づく共通のルール」を定めていく方向と報じられているが、それはそれとして、デジタル化に遅れを取らないためにも、新しいものに触れて、自社の経営に「役立つ可能性があるか」を判断することが大切である。

 

図表 1世帯当たり年間ペット関連支出額比較(5年平均)
(出典:しんきん経済研究所が調査集計。回答部分は米国OpenAI社の“ChatGPT May3Version”から作成。)

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