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温室効果ガス、残り10年で半分を削減できるか

2023年8月3日

我が国は2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにするため、2021年4月に「2030年度までに2013年度比46%削減」の目標達成を表明した。浜松市は2021年4月、温室効果ガス排出量(以下、排出量)を「2030年度までに2013年度比30%削減」と中期目標を掲げていたが、国の目標前倒しにより、浜松市の今後の計画は国と同等かそれ以上の目標に修正するものと思われる。

浜松市の排出量をみると、2013年度は573万トン-CO2(以下、万トン)であったが、2020年には443万トンとなった。2013年度と比べ23%の削減、国が掲げる2030年度目標のちょうど半分であり、あと10年で残り半分の削減が求められる。2020年度は前年度比26万トンの削減となり、新型コロナ禍の影響で製造業の生産量や旅客及び貨物輸送量が減少したためと思われる。

今後、排出量の目標を達成していくためには中小企業の削減努力も欠かせない。コロナ禍の緩和によって経済活動は活発化し、排出量が増加していく懸念も想像される。経済と環境の好循環という難しい課題にチャレンジしていくためには相応の覚悟と、場合によってはまとまった資金も必要だろう。さしあたりは「見える化」を行い、できることから排出量の削減を行っていく。そして、削減が困難な段階では環境に配慮した設備投資を、また、ビジネスチャンスということであれば環境に優しい製品やサービスの開発が重要となるだろう。

 

 

図表 浜松市の温室効果ガスの排出量の推移と削減率
浜松市:2020年度の温室効果ガス排出量【速報値】

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