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農業の生産性向上と効率化の推進

2024年2月15日

市町村別農業産出額は、2007年より都道府県別の公表のみとなり、2013年までの7年間は市町村別の実態把握ができない状態だった。農業の成長産業を進めるため、2014年から再び市町村別の産出額が公表されるようになったが未だにその成果は見られず、高齢化、労働力不足、収益の減少等を理由に離農する農業者が増加している。一方で、高い経営意欲を持ち、作業効率と規模拡大、販路拡大など独自の取組を進め、活躍している若手農業者も増えつつある。

下のグラフは、農業産出額上位7市町における1haあたりの農業産出額(以下:産出額という)を示したものである。主な品目の違いもあり一概に比較することはできないが、都城市は畜産が約8割を占め産出額は3,944万円と他市を圧倒している。一方、別海町は広大な土地での酪農が盛んで産出額は105万円と少額だ。温暖な気候を活かして野菜や花きが盛んな浜松市と田原市を比較して見ると、浜松市の産出額709万円に対して田原市は1,857万円と1,000万円以上多い。浜松市は生産性の向上と効率化を進めることでまだまだ伸びしろがあるのではないだろうか。

生産性と効率化を高める方法としては、機械化とスマート農業の導入および生産品の付加価値を高めることである。機械化やスマート農業の導入は、手作業で行っていたことを自動化にすることで作業効率が上がり、生産性も高まる。遠隔操作の農機具やIoTを活用することにより効率化も高まるだろう。販売に関しては、科学的根拠を商品パッケージに表示する「機能性表示食品」として付加価値を上げることや、生産したものを加工して販売する方法や農家レストランなどの6次産業化への取り組みも考えられるだろう。

図表 年別の新築持ち家の戸数と割合
出所:「農林業センサス」の資料をもとに作成

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