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コロナ禍で進んだ結婚の減少

2024年7月4日

厚生労働省が発表した人口動態統計の速報によると、2023年の国内日本人の出生数は72.7万人となり、2022年比4.3万人の減少となった。前年の減少を上回る深刻な状況だが、果たしてこれはコロナ禍が原因の減少か。また、浜松市はどうか。

浜松市における最新データの2022年の出生数は4,945件であり、婚姻件数は3,178組であった。そして、下の図は2013年以降10年間の浜松市の婚姻数と出生数を指数化したグラフである。2013年を100とした場合、2022年の婚姻数は77、出生数は71となり、出生数の方が多く減少している結果となった。

個別に分析すると、まず婚姻数については2020年に大きく減少、コロナ禍で出会いが失われたと言えそうだ。次に出生数においてもコロナ禍で減少はしたが、2019年に大きく減少した。つまり、婚姻数はコロナ禍で減少が拡大したが、出生数はコロナ禍よりも前に減少が拡大したことが分かる。これらの減少拡大の特徴は、全国ベースでも同様である。ただし、浜松市では2022年の婚姻数は前年と比べ増加したことから、コロナ禍が落ち着いた2023年も増加が続くか注目されるところだ。

人口減少で若者の総数自体も年々減少していくため、今まで通りの傾向なら出生数も婚姻数も当然に減り続ける。加えて、コロナ禍以後の行動変化は今後の未婚化や晩婚化の進行を更に進めると予想する。晩婚化が進めば1家族あたりの出生数の減少にもつながる。結婚への価値観は各々と思うが早い段階の結婚や多くの子を望む家庭にはより効果的な支援が必要であるとともに、人口減少ありきのコンパクトシティーも並行していくことが求められよう。

図表:浜松市 婚姻数と出生数の推移

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