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デジタルの力でジェンダーギャップ解消へ

2024年9月5日

世界経済フォーラムが発表した「グローバル・ジェンダーギャップ・レポート2024」によると、日本のジェンダーギャップ指数は146カ国中118位となり、先進国の中では最下位レベルに位置している。特に経済分野における格差が大きく、女性の能力が十分に活かされていない状況が続いていることがうかがえる。

ジェンダーギャップを測る指標の一つとして労働力率1がある。2020年における浜松市の女性労働力率は54.9%と全国の53.2%を上回っており、男女間格差も17.6ポイント(全国18.2ポイント)と良化傾向にあるものの、依然として格差は存在する。

ジェンダーギャップ解消の壁となる主たる要因が「仕事と家事・育児の両立」だ。大企業ではその支援に積極的に取り組んでいる一方、中小企業では費用や人材などの課題から対応が遅れがちの状況にある。

問題解決に有効と考えられる手段の一つがデジタルツールの活用だ。チャット、承認フロー、e-ラーニングなどテレワークに必要なクラウドサービス2が中小企業向けにも提供されており、初期投資を抑えながら導入することができる。さらに補助金制度や取引金融機関の支援を活用することで導入のハードルを下げることも可能だろう。

仕事と家事・育児を両立できる職場環境の整備は、自社の労働力不足解消だけでなく、社会全体におけるジェンダーギャップ解消にもつながる重要な取り組みといえる。


注:1 実際に働いている人とすぐに働くことのできる人の割合。労働力率 = (就業者数 + 完全失業者数) ÷ 15歳以上人口数 × 100
注:2 アプリケーションやソフトウェアをインターネット経由で利用するサービスの総称

浜松市の労働力率の推移
出所:浜松市国勢調査報告書からしんきん経済研究所が作成。

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