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給与水準、上昇傾向

2024年10月17日

労働組合の全国組織である連合が最終結果として発表した2024年の春闘の平均賃上げ率は5.1%であった。前年の3.6%を上回るとともに、1991年以来の5%を超える賃上げ水準となった。

上記とは異なるデータであるが、静岡県でも賃金や労働時間などをまとめた毎月勤労統計という統計調査が毎月公開されている。その中の所定内給与(=時間外などを除いた決まって支給される給与)をみると、2024年4月の水準は107.1であった。2020年平均の100と比べると7.1%上昇したこととなる。元号が令和に変わる2019年の4月以降の所定内給与をみると、多少の落ち込みはあるにせよ総じて上昇していることが分かる。最新年度の2024年4月は、前年同月比で3.2%(=107.1÷103.8)の上昇であった。

当研究所では賃上げ状況をたびたびアンケート調査しているが、近年では多くの企業が賃上げに対応してきている。ただし、業績好調が続く企業なら良いが、業況が厳しい中でも賃上げせざるを得ない企業が相当数いることもうかがえる。今年も最低賃金が静岡県で引き上げられた。収益向上の企業努力は賃上げに関わらず必要であるが、自社の賃上げに悩む際には、この統計調査も参考の一つになると思う。

所定内給与の推移(静岡県内、事業規模5人以上、2020年平均=100)
出所:静岡県毎月勤労統計を当研究所加工作成。

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